お墓の豆知識


お墓や埋葬は、昭和23年に制定された「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)によって規定されています。

この法律の施行細則を定める、厚生労働省令の「墓地、埋葬に関する法律施行規則」では、お墓の法律的な定義、お墓に埋葬する場合の手続き、お墓の管理に関する規則や罰則が定められています。
また、民法や刑法にも埋葬に関する規定や罰則があります。
刑法第24章第190条には死体遺棄の規定がありますが、墓埋法で決められた方法以外の埋葬は この死体遺棄にあたるため注意が必要です。


墓埋法の規定 墳墓とは?

墓埋法では「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設」とされており、土葬墓と火葬墓のことを指します。
墳墓を設ける区域が「墓地」で、「墓地として都道府県知事の許可を受けた区域」という規定があり、墓地以外の区域に埋葬または焼骨を埋蔵することは禁止されています。
ちなみに、現代の日本では90%以上が火葬ですが、法律的には土葬も認められています。
ただし、都道府県知事が「焼骨の埋蔵に限る」という条件を付けた墓地では、土葬を行うことはできません。


納骨堂とは?

墓埋法では、「他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」です。
つまり、お寺や教会などの宗教施設であっても、納骨堂の許可を得ていない施設では、他人の遺骨を長期的に保管することはできないということです。



散骨とは?

散骨とは、遺骨を墓地にも納骨堂にも納めず、粉末状にして海や山などに撒くもので、「自然葬」とも呼ばれます。
墓埋法には散骨の規定がなく、「葬送の目的をもって節度をもって行う」という条件であれば刑法の「遺骨遺棄」にも該当しないという解釈が有力です。


墓相の起源

墓相学は、中国で発達した風水の思想が起源だという説と、墓相学から発展したのが風水だという説があります。
どちらにしても、古代の中国では、日当たりや風向きなど、土地の環境を重視してお墓を建てていたようです。
現代の墓相学でも、日当たりが良く、適度な大きさ持ち、手入れが行き届いたお墓が良いお墓で、高台にあるお墓や日当たりや水はけが悪く、手入れの行き届いていないお墓は不吉だとされています。
ただ、そういう善し悪しは、常識的なことですから、墓相で判断するまでもないかもしれません。

仏教と墓相
仏教の経典においては、「墓相」について一言も触れられていません。 良いお墓は家が栄える、悪いお墓は災いが起こるといった教えも仏教にはなく、墓相では色でも吉凶を判断しますが、仏教ではどの色も大切だと考えられています。 つまり、墓相は仏教とは一切関係がないものなのです。


お墓が遠方にあったり、多忙でなかなかお墓参りができない人は多いことでしょう。

先祖を偲び、先祖を供養する気持ちが大切ですから、お墓参りができないことを気にやむ必要はありません。
お墓参りをする時期には、とくに決まりはありませんから、お盆やお彼岸だけに限らず、時間を見つけていつでも気軽にお参りしましょう。
ここでは、ぜひ知っておきたい一般的な常識をご紹介します。

お墓参りの仕方
お墓参りには、特別な決まり事や作法などはありません。
お墓参りの時期も自由ですが、春と秋の彼岸、祥月命日、お盆、お正月などが一般的です。
通常は、まず墓石を掃除して、線香や花、お供え物などを添えます。
菓子や果物などのお供えをする場合は、墓石が汚れないように、器か半紙などにのせて供えましょう。
そして、墓石に水をかけた後、お墓に向かって手を合わせてお参りします。
人数が複数の場合は、血縁の深い順に行うのが一般的です。
お参りが終わったら、食べ物や飲み物をお供えした場合は、そのままにしておくとカラスなどのエサになってお墓が汚れてしまいますから、必ず片づけて持ち帰りましょう。
また、お墓参りの前には、霊園の場合は管理事務所を訪ねてご挨拶しましょう。
寺院墓地の場合は、お寺の本堂に行き、ご本尊様のお参りをし、僧侶にご挨拶をします。
お参りが終わった後も、ご挨拶をしてから帰りましょう。


お盆とお彼岸は、日本の伝統的な先祖供養の習わしで、年中行事の中でも重要な仏教行事です。

お盆の習わし
お盆は、先祖の霊が家に帰ってくるのを出迎えるための仏事で、正式には「盂蘭盆会」(うらぼんえ)といいます。
お盆の時期は、7月13日から16日までの4日間ですが、旧暦の8月13日から16日までに営むところも多く、地方によってさまざまです。
「お盆入り」の13日に霊が自宅に戻り、「お盆の明け」の16日に霊界に戻るとされています。
精霊棚を作り、先祖の霊が現世との往復に使う乗り物として、馬の形をしたキュウリや牛の形をしたナスを供えます。
現在では、仏壇の前に小机を置いて、果物やお菓子、花などをお供えする場合が多いようです。
「お盆の入り」の夕方には、先祖の霊が迷わないように迎え火を焚き、16日の「お盆の明け」には送り火を焚きます。
地方によっては、白樺の皮や麦わらを焚くこともありますが、都市部ではロウソクの火を灯すだけで済ませる場合が多いようです。
「盆提灯」や「灯籠」なども、先祖が家に帰るための道しるべとされ、お盆の期間中は、仏前に飾っておきます。

新盆(初盆)のしきたり
家族が亡くなって初めて迎えるお盆を「新盆」もしくは「初盆」といい、とくに手厚く供養します。
精霊棚には通常の供物の他にも、故人が好きだった食べ物や飲み物などをお供えします。
さらに、親族や友人たちを招き、僧侶に読経をしていただいてから、精進料理でもてなします。

お彼岸の習わし
お彼岸は、もともと「迷いの多い現世(此岸)から川の向こうの悟りの世界(彼岸)に渡ることを願って、行いを慎む期間」で、正式には「彼岸会」といいます。
時期は、3月の春分の日と、9月の秋分の日の前後3日ずつの合計7日間で、初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸明け」といいます。
お彼岸には、お盆のような行事はとくにありませんし、仏壇を飾る必要もありませんが、「彼岸の入り」の前には仏壇を清掃し、花や水を替えましょう。
また、故人の好物だったお菓子や果物をお供えしますが、春にはぼたもち、秋にはおはぎを供える習わしがあり、これは「春の牡丹」、「秋の萩」という季節の花が由来だといわれています。
お彼岸には家族揃ってお墓参りをして、先祖を供養しましょう。